「それじゃ、また放課後ね。」
「はいはい」
「うん、そっちまで迎えにいくよ!」
「来ないでいいから!」

目立つんだからそっとしといて欲しい。
迎えになんてこられたらまた余計な噂がたって面倒なことになるんだから…
彼氏でもないのに迎えにこられたりしたら変に勘ぐられるし、女子からは睨まれるし。
とりあえず私は平々凡々に生きていけたらそれでいいんだし。


「おはよー。」
「おはよ、詩織。あんたまたあの双子と登校してたでしょ。上から丸見え。」
溜息をつきながらバッグを机に下ろした。
この子は小学校からずーっと同じクラスの園田咲。
当然、私とあの双子の関係を知ってる。
「仕方ないでしょ、家隣だし、あの二人ほっとくとすぐに寝坊するんだから。」
「女子達はあんたのことあの二人の双子の彼女って疑ってるみたいだけどどっちかって言うと母親よね。」
「ははは(私まだ彼氏のひとりもいたことないんだけど…)」
「ま、頑張りなよ!愚痴ならいくらでも聞いてあげるから!(笑)」
「さき〜」

「咲、詩織、おはよー」
「あ、美穂、おはよ」
「おはー」
「ね、詩織、咲、合コンに興味ない?2人彼氏今いないじゃん。ちょうど人数足りないから来てみない?」
え、合コン?
男の人とほとんど話したことないのに?
いやいやいや、無理でしょ!!
「どこの高校と?」
「K校」
「あー、あの男子校ね。詩織が行くなら行くよ。」
へ!?
「詩織、行こ!あの二人だけじゃなくてほかの男子も見てみるチャンスだよ。」
いやいや、何で!?
「えっと、私なんか行っても場違いだろうから行かない方がいいんじゃ…」
「あんたせっかく可愛い顔してんだから、彼氏の1人でも作ってみたら?付き合わなくても、友達になってみるとかさ」
可愛くないけど?
友達…か
「ほんとに友達作りたいからでもいいんだよね…とりあえず日程と場所聞いてもいい?」
「11月23日の日曜で11時に島北駅西口集合でカラオケ行こうって予定なんだけど」
そういえば
「カラオケ、行ったことない…」
「あの双子の過保護具合も行きすぎでしょ(ボソッ)」
「ごめん。聞こえなかった。なんて?」
「何でもない。」
「一応親にカラオケに遊びに行ってもいいか聞いてもいい?」
怒られたら怖いし
「OK!」
〜キーンコーンカーンコーン〜
「決まったらLINEして!」
「うん。」
「ホントにいいの?」
「よく考えたら男の人の友達あまりいないから、これくらいやってみたいなって思って」
「そ、それならいいけど」
(あの双子一体どれだけ過保護なんだか…)