「でもさーそんなの、幼なじみのうちらしか分かんないっつーの。ねぇ……」
「だねーそれ、もうちょっと早く分かってたらよかったのにー」
もうちょっと早く知ってたら……。
隼くんに振られても、わたしは気持ちを伝えられた気がする。
だって、隼くんの気持ちはいちごラムネに詰まってるんだもん。
袋から取り出したラムネを一粒口の中に入れる。
あの日から毎日のように口にしているいちご味のラムネ。
あの時と同じ、甘酸っぱい味が口中に広がる。
でも……。
ほんの少し、あの日より甘い気がした――……。
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