「中学の時、隼に好きな子がいてね、その子も隼のことが好きで告白したのに、隼は断っちゃったんだ」
「え?」
「でしょ? 何バカなことしてんの! ってわたしも思ってさ。
隼はその子に、このいちご味のラムネをあげて……
でも、隼が好きな子にこれをあげるなんて知らないから、結局、そのまんま……
本当、バカだなーって」
裕子の話を聞きながら、隼くんにラムネをもらった時のシーンが頭に浮かぶ。
もし……もし、裕子の話が本当なら……。
隼くんは、わたしのこと、好きでいてくれてたの?
おいしいから……ってくれたわけじゃないんだよね?
わたしのこと、好きだったから……だからくれたのかな?

