「どういうこと?」 「うん、結衣には言ってなかったんだけど…… 隼ってさ、昔から好きな子にはこの、いちご味のラムネをあげるんだよね……」 そう話し始めた裕子は隼の幼なじみだから、昔のこともよく知っている。 「隼のお母さんがラムネ好きで、遊びに行くとよく出してくれたんだ。 でも、このいちご味だけは、好きな子にしかあげない! って絶対くれなかったの。 失礼だと思わない?」 懐かしそうに笑う裕子にわたしも笑みがこぼれる。