隼くんに告白できなかったこと。
後悔してるわけじゃない。
でも……伝えておけば……って思ったことはある。
隼くんの気持ちは聞かなくても、自分の気持ちは……
わたしは隼くんのこと、好きだよって気持ちはちゃんと伝えたかったかなって……。
そう思うと食べたくなるいちごラムネ。
わたしがそっとポケットから取り出すと、裕子が指を指す。
「あ、それって……もしかして、隼からもらった?」
「え? あー隼くんからもらったのはもう、食べちゃったんだけど……」
「やっぱりー! わたしの勘も強ち間違ってなかったんだー」
パンと手を叩いてうれしそうにしている裕子に首を傾げる。
そんなに喜ぶ意味が分からないって。

