「結衣?」 「え? あ、うん、聞いてるよ?」 応援してあげたい。 でも、そんな気持ちより、淋しい、行ってほしくない、 そんな気持ちががぶさっていく。 隼くんの気持ちを素直に応援してあげられない。 そんな醜い自分の気持ちがイヤになる。 何でわたしはこうなんだろう。 やりきれない思いと醜い感情と大きく膨らんだ淋しい気持ちが 隼くんに伝わらないように唇をかみ締める。 でも――。 それと同時に溢れてきたのは、涙だった――……。