「そうだ、オレね、結衣に言わなきゃいけないことがあって……」 「え? 何?」 隼くんの声色が変わって、ドクンと脈が波打つ。 「うん、まだ、誰にも言ってないんだけど……」 少しうつむき加減で話し始める隼くん。 嫌な予感がして、わたしはその横顔を見つめるしかできなかった。 「オレね、引っ越すんだ……」 「え?」 引っ越す? 遠くに行っちゃうってこと?