「やぁ、この度は本当に大変だったろうね。」

所長さんがゆったりとした口調で言った。

隣りでマネージャーさんが

「大変だったのはこっちもだけどね」

と厭味ったらしく言う。

それに私たちは2人ですみませんでした、と頭を下げる。

覚悟はもう出来ている。

世間が私たちを認めてくれないなら、どうするか。

「これからについてなんだけどね、通坂くん。」

所長さんは通坂くんの方へ歩み寄る。

「君の意思を尊重したいんだ。」

所長さんの言葉に、私たちは驚いた。