「何もないって、お前っ……!」


怒りも含まれている声が嬉しくて。

こんなに考えてくれてるだけで充分


「ほんとだって!」


「…………そうか」

信じてくれた…?
よかったぁ…。


私から離れていく蒼は悲しい何かを含んだ瞳をしていて。


「蒼…?」

「……仕事に戻るわ。またなんかあったら呼んで」


そう言って部屋を出て行った。
なんか冷たくない…?

「ふぅ……っ、」