拝啓 茉白、愛しい君に花束を。

「さっきから、ほんとに笑った顔じゃないし、頬が赤く腫れてる。……首筋のキスマーク」

「………!!」

首筋のキスマーク…いつの間に…!!

拓真っ……あいつ…!

誤魔化さないと!
「茉白…答えろ…誰にやられた」

「誰にもやられてない」

「嘘つけなんて言ってねぇよ」

有無を言わせない声に反論する。

蒼には気づかれたくなくて、冷めきった心に嘘をついて明るく振る舞った。