「別にー?恋愛がしたいって話してただけ」


「え!?風結、恋愛したいのか?」


「…………」


これ以上ないくらい目を丸くさせたヒロを視線だけで睨むと、ヒロは慌てて言い募る。


「だって、今までそんなこと一度も言ったことなかっただろっ?
恋愛なんて興味なさそうなお前が珍しいと思って……」


「そりゃ、今までは興味なかったからね。
でも部活も辞めて暇な今、恋愛くらいしてみたいって考えるのが女子でしょ?
私は初恋もまだだし、誰かを好きになってみたいよ」


「……部活、戻らないのか?」


「戻らないよ。あ、ヒロは誰かを好きになったことある?」


「ぅえっ!?おっ、俺、は……その……」


「?……」


ごにょごにょと口ごもって頬をかくヒロから視線を逸らすと、こっちを見ていた2人と目が合った。