「なに?」


同じように机の上に身を乗り出して顔を近づけると、ミヨは片手を口元に当てて小声で話し始める。


「ヒロくんじゃ、ダメなの?」


「え?なにが?」


「恋の相手だよぉ〜。幼なじみだし、元同じ部活仲間だし、好きになるにはいい相手じゃない〜?」


「あはは、ないない。小学生の頃から知ってるしそんな目で見れないよ」


「でも、ヒロくんと話してる時の風結ちゃん、楽しそうだよぉ〜?」


「話が合うから、それだけだよ。
私と恋愛なんて、ヒロも考えてないでしょ」


「それは本人に聞いてみないとわからないと思うけどなぁ〜」


「いやいや、わかるって」


「そこ、なにコソコソ話してんだよ?」


ミヨの言葉に笑っていれば、話の中心人物が不思議そうな顔で尋ねてきた。