「…っ………へへ、ありがとっ!和哉くんがそう言ってくれて、なんかスッキリした!」
目尻に浮かんでいた粒を拭って笑みを見せれば、彼は優しく微笑んでくれる。
「俺も、ありがとう。これ、凄くご利益がありそうだ」
そう言って彼は手に持っていたお守りを小さく振った。
パステルグリーンの生地につけられた、クローバーのアップリケ。
クローバーの葉は、なぜか一枚しかなかった。
「一つ葉のクローバーって珍しいよね」
彼の言葉に、私はお守りを作ってくれたおばあちゃんのことを思い出しながら答える。
「うん、私も貰った時に聞いた。どうして葉が一枚しかないの?って」
「どうしてだったの?」
「一つ葉のクローバーの意味が、あなたにぴったりだったから、って」
「意味…?」
「うん。意味を聞いて嬉しくなって、貰ったあとにそのお守りの中に意味を書いた紙を入れてたの。だからあとで紙を見て」
和哉くんの持っているお守りを指さして言えば、彼は「わかった」と笑みを返した。
「中学の時からずっと持ち歩いてたから、和哉くんの力になってくれると思うの。だから、頑張って」
「うん……ありがとう」



