「私だって、ついこの間まで部活やってたし!
なのになんで出会いが1つもなかったの!?
私だって恋愛したいのにぃ〜……」


「まぁ、風結は恋愛する暇ないぐらい部活に熱心だったからね」


「恨むなら陸上バカだった自分を恨むんだねぇ〜」


「ミヨ……厳しい」


机にアゴを乗せて上目遣いでミヨを見上げれば、リカが手を伸ばしてくる。


「でもそれって、他のことに目もくれないくらい陸上に夢中だったってことでしょ?
それだけ好きなものがあるって凄いことだよ」


「リカぁ……あんまフォローになってない」


「ごめん」


「でもその優しさは好き……」


柔らかい笑みで頭を撫でてくれるリカに甘えているとその時、教室のドアが勢いよく音を立てて開いた。


「風結────!!」