リアル乙女ゲーム⁉




それから1週間。


職員さんとも打ち明けて
タイムスケジュールや、利用者さんの顔と名前も覚えて
やっと普通に仕事ができるようになって



周りをみる余裕も出てきた。


そして今日、職場に行くとロッカーに
見たことのない人がいた。


「おはようございます。」



挨拶をすると
こっちを見てびっくりした顔をしている女の人。



「え?誰?
 あ、高木さんが言ってた美人の新人さん⁉」



え?



え?




「あ、えっと
 美人、かどうかはわかりませんけど
 一週間前からここで働いてます、佐野弥生です。」



そう挨拶すると
その人はにこにこ笑って


「やっぱり!
 私、岡本文月(おかもと ふづき)です!
 23歳なんだよね!
 同い年の子だって聞いて会うの楽しみにしてたの!
 よろしくね!」



早口でまくしたてられる。


「ねぇねぇ
 弥生って呼んでもいい?
 私の事も文月って呼んで!」


そういわれて

「はい、よろしくお願いします。」



と頭を下げると


「いえいえ、こちらこそ!
 ため口でいいし、お互い呼び捨てにしようよ!
 同い年なんだしさ!」


と言われ、半ば強制的に
呼び捨てとため口で話すことが決まってしまう。