7月28日7:30

「ごちそうさまでした。」

夏休みに入り、することもなく毎日無駄に過ごしてしまっているような気がして嫌になる。朝食を食べ終わり、リビングにあるソファーに座る。自分の家に帰省している人も多く、寮の中はいつもより静かだ。ポケットの中に入っているスマホを取り出し、誰かからメッセージが届いてないか確認する。

(もしかしたら、遊びの誘いとか…)

そんな期待も虚しく、届いてたのは友達に追加してる公式からのメッセージ。思わず口からため息がもれる。

「真心ちゃん。」

そんな時に現れたのは、そう、私の救世主、翔。

「え、」

自分の目を疑った。目の前にいる木村翔くん彼は高校二年の男の子。そんないい年頃のやつが首からゴーグルをぶら下げて、海パンをはき、上にはシンプルなtシャツ、いやここまではいいのだ。手に持っているのはなぜかアヒルの大きなうきわ。

「どうしたの、それ?」

「ん?…あ、これ?」

「そう、それ。」

「これね、買ったの。」

「なんで?」

「運命を感じたから。」

「そ、そっか。」