すると知愛は目をぱちぱちさせて頬を赤らめる…
「キスって、よく言う…甘いだの酸っぱいだの…っていう味がするものだよね?」
『ふっ、なにそれ』
「だってよく聞くもん!」
『わかったから、ほら…目、閉じろ』
とは言っても、俺もキスなんてしたことないわけで。
あー!!もう、わっかんねー!!
勢いかと思ったけど、そっと目を閉じた知愛の顔に見惚れてしまって…
ファーストキス…いただきます…。
そっと自分の唇を近づけて優しくキスをした。
恥ずかしくてすぐ唇を離す…
「味なんてわかんないや」
そう笑う知愛。
キスに味なんて…笑わせる。
口移しじゃあるまいし…

