何言ってんだよ…俺。
ほっとけばいいのに…
「えっと…」
恐る恐る、屋上に踏み入ると、静かにドアを閉めて、俺の前にちょこんと座った矢幡。
「家に帰っても1人でつまらなくて…」
『親は?』
「私、一人暮らしなの。
親は仕事で海外でのプロジェクトのために転勤してて…
私、英語とかダメだから…仕方なく日本に…」
『エリート一家か』
親が二人ともエリートとは…
こいつから想像も付かねー…
ほんとに一人暮らし出来てんのか?
毎日、危なっかしそう…
って、何心配したんだよ。
俺には関係ねーだろっ!
「えっと…黒田くんは?」
『え…?』
まさか自分のことを聞かれるなんて、思いもしなかった。

