既にその男子の周りには女子が囲んでいる。 「ねえねえ奏海くん!兄弟とかいるの?」 「ねえ奏海くん、今日遊ぼうよ」 この名前に覚えがあった。 このときには睡魔はどっかにいっていた。 女子を掻き分けてその男子の目の前に行く。 くっきりしている二重、きれいな鼻筋、この輪郭。 幼かった君の面影がしっかり残っていた。 間違いない。奏海だ。