もういちど、あの海で




奏海が泣き止んでもあたしは涙が止まらない。



すると奏海があたしになにか手渡した。



「貝がら…?」


手の平には淡いピンクの貝がらが太陽に照らされて光っていた。


「そーだよ。この海辺で拾ったんだ。ちょうど2個あったからお揃いだよ!」


「うわぁ!ありがとうっ」


涙がピタリと止まった。


「あのさ…俺ずっと愛音のことが好きだった。」


「…!あたしも奏海のことが大好きだよ」


「ずっと一緒にいたい。…また会えたら10年後結婚しよう」


「もちろん」



あたしと奏海はあの海と光り輝く貝がらに約束した。


また会えるよね?奏海