「お兄ちゃ~ん!もうおやめくださーい!!」
「ほらほら、凛たん困ってるぞ~悪い兄貴だ~よしよし。」
「まったくだ。よしよしよし。」
「やめろぉー!!凛に触るなっ!!」
俺に胸倉掴まれた状態で、俺の背中にくっついてる凛に両手を回して撫でまわす烈司と、凛を背後から完全に抱きしめる形でその頭部を撫でまわす伊織。
「とにかくっ!!!テメーらの凛へのお触りは終了だ!!!」
凛を触っている烈司と伊織を振り払い、俺にくっついている凛をつかんでその場を離れる。
「え!?あの、瑞希お兄ちゃん!?」
「おーい、独り占めかー?」
「やれやれ・・・巣に持ち帰りよって。」
「うるせぇー!!」
背後から聞こえた声に罵声で返す。
凛を抱え、ムカムカしながら階段を駆け上がる。
自分の部屋の戸を蹴り開けて、蹴り閉めて、鍵をかけた。
(通行止め完了!)
〔★正しくは、ろう城だ★〕
そのまま、抱えていた凛を、再度ベッドに投げ落とす。
「わぁ!?」
驚きの声を上げながらも、キレイな受け身を取ってバウンドする姿・・・俺が見込んだだけはあるな、凛?
「お、お兄ちゃん・・・・・・・」
恐々俺を見上げる凛に、腕組みしながら視線を落とす。
「いいか、凛!俺のことは俺が一番知ってる!」
「は、はい・・・」
「だったら―――――――!」
正座して縮こまり、俺を見ている弟分に言った。
「俺に言えっ!!」
「へ?」
「昔の俺が見たいなら、俺に言え!俺に聞け!俺に、たーのーめーっ!!」
「えっ!?」
「俺の記録は、俺が一番持ってるに決まってんだろうが!?・・・・・動画ぐれー、いくらでも見せてやる・・・凛になら・・・!」
「み、瑞希お兄ちゃん・・・・!!」
最後の方は恥ずかしくなり、声が小さくなっちまったが、凛にはしっかり伝わったと・・・思う。


