「烈司さんも、獅子島さんも!何もしてません!ましてや、お二人が僕に悪いことなどしていません!!」
「なっ!!?」
「烈司さんも獅子島さんも悪くないです!僕にすごく良いことをして下さったのです!!どうか悪く言わないで下さい・・・!!」
「り、ん・・・!!?」
ツレ2人をかばう凛に固まる俺。
「そーそー♪瑞希、ちょっとブラコンをこじらせすぎだよなぁ~?あははは!」
「くっくっくっ!ここまで凛道に言われて・・・まだ、我々を疑うのか?お兄ちゃんよ?」
そんな俺を楽しそうな顔で見ながら、完全に勝ち誇る態度を見せる烈司と伊織。
「凛たんは優しくて良い子だなぁ~よしよし♪」
「わ、くすぐったいですよぉ~」
「今日の凛道はなかなか悪に染まっている。褒美だ、撫でてやろう。」
「わわ、だからぁ~くすぐったいですよ~?」
自分をヨシヨシする野郎2人に、天使のような笑顔を見せる凛。
烈司と伊織から可愛がられて、可愛がられてまんざらでもないように見える凛の態度。
――――――――――ブチッ!
それで、俺の中の何かがキレた。
「・・・凛。」
「え?」
「「あ。」」
ガシッ!
グイ!
ヒョーイ!
「――――――――わぁあああああ!!?」
「来い・・・・!!」
のほほんとしている凛を、烈司と伊織の間からつまみ上げる。
〔★ユーホーキャッチャーだった★〕
「み、瑞希お兄――――――!?」
「総長命令だ!!来いっ!!!」
有無を言わさず、つまんだ状態で弟分を回収。
「瑞希~」
背後から俺を呼ぶ声がしたが――――――
「頭の命令だっつってんだろうが!?親隊!?副そー!?」
「はいはい。」
「俺は何も言っとらん。」
掟をもってすれば、黙らせることは簡単。
プライベート空間に通じるドアを蹴り開ければ、つまんでいる凛がビクッと震える。
再度、後ろで馬鹿共が何か言うのが聞こえたが無視した。
凛を落とさないように、しっかりと抱きなおし、音を立てながら階段をのぼった。
〔★瑞希による凛強奪、烈司と伊織は静かに見送った★〕


