彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「あははは!言いすぎだぜ~瑞希?伊織が可哀想じゃねぇか?」

「烈司!?」


あり得ない状況に驚く俺に、押さ馴染みのツレがニヤニヤする。



「凛たんがイオリンと仲良くしても良いぐらい、付き合い長くなってきてんだろう~??」

「てめー・・・・!?」



そう語る烈司の表情で気づいた。



「オメーが黒幕か!?凛になにしやがった!?」

(烈司がこの笑い方をする時は、120%悪知恵を使ってる時だけだ!!)



そこまで考えて気づく。



(!?まさかこいつ・・・・・・・さっきの喧嘩の仕返しを・・・・!?)

間違いねぇ!

無駄にこいつと、幼馴染してるわけじゃねぇんだ!

この状況、俺を困らせるためにやってるに違いねぇ!!



〔★瑞希は現状を理解した★〕



怪奇現象のからくりがわかってしまえば、後は追及するだけだ!


(どうやって、凛を服従させる魔法を使ったのか・・・!)


手品には必ずタネがある。


(それを暴いて凛を助け出すのが先決だ!!)



ネタばらしをさせるため、俺は『兄貴』として質問した。


「それで?3人仲良く、何してんだよオメーら!?」

「えー?ヒ・ミ・ツ!」

「黙秘。」

「ふざけんなテメーら!言えやコラ!!」

「嫌だって~!なぁ、凛た~ん?言いたくないよなぁ~?言えないよなぁ~?」

「あ・・・う、うん。ごめんなさい、瑞希お兄ちゃん。」

「はあっ!!!?」

(凛が俺への回答を拒否した、だと!!?)

「な!?凛!?俺に言えないって、ゆーのかっ!?」

「・・・・・・ご、ごめんなさい。言えません・・・・。」



気まずそうな表情で、俺から視線をそらしながらうなずく凛。



「はあああああああああ!!!?」

(凛が俺に隠しごとをした!?いつもは速攻でしゃべるのに!?ごめんなさいだと!?)

「ガチで凛になにしたっ!!!?」




烈司と伊織を交互に見ながらメンチをきる。



「「なぁーんにも。」」



ニヤリと笑う初代親衛隊長と副総長にイラッとする。



「そんなわけあるかっ!?」

(こりゃあもう、陰謀確定だぜ!!)



マジギレしながら問いただせば、のほほんとした口調で烈司が笑う。