彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「伊織とくっついて座って、大丈夫なのかよ凛!?」

「大丈夫ですぅ~獅子島さんはお優しいですぅ~」

「なっ!?なんでだ!?」



とろけそうな顔で言う凛に、ますます混乱する。



「なんでそこまで伊織にフレンドリー!?まさか伊織!?もうすぐ死ぬのか!?」

「勝手に俺の寿命を終わらせるな。なぜ、そうなる?」

「だってそうだろう!?凛のオメーへの神対応!死にかけの人間に対する優しさに近いぞ!?」

「え!?僕の獅子島さんへの対応、そんなにひどかったですか!?」

「いやいやいや!今がよすぎるだけで!どうしたんだ、凛!?何変わるものでも食べたか!?ヤバい薬でもしたのか!?それとも―――――――そうか!?脅迫か!?」



一番可能性がある考え。



「伊織!凛に触りたいからって、脅迫はダメだぞ!?見損なわせんなよ、おいっ!!」

「しとらん。凛が自発的にしてるだけだ。」

「マジか!?つまり、恫喝なのか!?」

「俺が凛道を脅しているという発想から離れろ。」

「それ以外ないだろう!?そうじゃなきゃ、なんで凛のレフト側に座れてんだよ!?」

「馬鹿者。日本では昔から、位の高い者が左に座るというのを知らんのか?左大臣の方が身分が高いのだぞ?」

「やべ!その言い方は伊織だ!!関山の変装という可能性が消えちまったっ!!」

「どういう意味だ、瑞希?」

「これだと、伊織本人だってことになっちまうだろう!?」



〔★本物と認めたくないらしい★〕



(烈司はともかく、伊織に可愛がられてまんざらでもないって・・・戸惑うだろう!?)

わけわかんねぇ!?

なんだよこれ!?



「まさか俺!宇宙人にさらわれて、解放された後なのか!?それでこんな幻覚を!?」

「宇宙人の訪問者は来とらん。」

「それともここは、パラレルワールドか!?」

「いつからファンタジー脳になった。」

「あるいはこれは夢か!?やべぇ!早く起きろ、俺っ!!!」

「起きた状態で寝言を言うな、瑞希。」



〔★瑞希は現実を受け入れられない★〕