彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)


あまりのことに言葉を失う。

気が動転する。

それでも俺にはわかった!

あの笑顔は営業スマイルではなく、凛が心から作っている本物の笑顔だと!!


(ま・・・まじかっ!!?)


烈司もだけど、伊織の奴がありえないっ!!


(あり得ないだろうー!!?)


動揺が収まらず、気づけば叫んでいた。




「おい凛、どーしたっ!!?」

「はう!?み、みみみみ、瑞希お兄ちゃん!?」

「お?お目覚めか~瑞希?」

「ちゃんと眠れたか、瑞希?」




俺の呼びかけで、魔法が解けたようにギョッとする凛。

それとは対照的に、さわやかな笑顔を浮かべる烈司と伊織。

もちろんの凛の首元と膝からどく気配はない。


そうそう、その顔だ、凛!


(戸惑ってる顔が、通常運転の凛だろう!?)



「お、おめーら!なにやってんだ!?特に伊織!なんで凛の隣に―――――!?」

「座っているぞ。それがどうした?」



烈司はともかく、伊織に対して常に緊張感を持っているはずの凛が!!

それが―――――




「平気なのか、凛!?」



凛は伊織から逃げることも、怖がることもせず、座っている。



「大丈夫か凛!?どこか具合が悪いのか!?」

「え!?どこも悪くないですが・・・?」

「凛道はいたって健康だぞ?なぁ、凛道?」

「はい♪」



いつも通り涼しい顔で言うと、猫にするように、凛の顎を撫でる伊織。



「おまっ・・・!?」

「気持ち良いか、凛道?」

「なにしてるっ!!?伊織ぃぃ!!?」

「凛道の顎を撫でている。気持ちイイだろう、凛道?」

「はぁーい♪ゴロゴロ~」

「マジかっ!!?」


(懐いてるだと!?地球はもうすぐ滅びるのか!?)



〔★瑞希は衝撃を受けた★〕