「凛のこと、わかったような口聞くなや!うぬぼれんな!!」
「あ?なによ?一番凛たんに懐かれてるか、一番凛たんを理解してると思ってる方がうぬぼれだろーが・・・!?」
「あんだと!?」
「なんだよ!?」
それで喧嘩になった。
(虫の居所が悪かったってのもあるけどよ・・・・)
間違っちゃいない。
(・・・・烈司の言う通りなのによ・・・・)
俺が凛のことを一番わかってると、思いあがちゃいけねぇ。
凛について、知ってることも、覚えていることも少ない。
(つーか、凛は自分の身の上を隠してるところがあるからな・・・)
俺を信用しきれてないから、話してくれないのか。
(それとも・・・好きでいてくれるから、話してくれないのか・・・・)
どちらも嫌だが、どうせなら―――――
(俺を好きだから遠慮して、話してくれない方が良いな・・・・)
そうだといいが・・・・・どうなんだろうな。
〔★その考えで合ってる★〕
自分の部屋のベッドで横になりながら、凛についていろいろ考える。
何度目かになるかわからない寝返りをうつ。
(・・・・・・・・そろそろ、凛が来る頃か?)
そこで考えるのをやめる。
烈司がいじわるで言ったわけじゃない。
あいつも、あいつらも、凛のことを気に入ってるから・・・口うるさく俺に言うのだろう。
(俺の言い方、まずかったかもな・・・・・)
頭が冷えたこともあって、烈司と喧嘩したことをちょっと後悔する。
(あいつ、今日休みだから・・・・・・まだ下にいるよな?)
凛が来るまでには・・・・和解しねぇーとだめだよな?
つーか、俺から謝るしかねぇかなぁ・・・
上に立つ者として、頭を下げることは恥じゃない。
ただ、素直になれないので気まずいのだ。
(いっつも、烈司が折れてくれるけど・・・・・・・・今回は、俺から言わねぇとな・・・)
詫びの言葉を・・・
そう思いながら階段を降りて、一階の店舗スペースのたまり場に入る。


