彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



「はいはい、そこまで!イオリ~ン!スマイルスマイル!凛たんも、リラックスリラックス!そーれ♪」


場をなごますため、茶化す意味も込めて、ツーと凛たんの首を指でなぞる。



「あっん!?」

「「!!?」」



それで俺と伊織の体が固まった。



「や、やめてください!ゾクッとしました!」

「・・・・そうだぞ、烈司。」

「・・・・ごめんね、凛たん・・・。」

(確かに、ゾクッとキタ。)



声は高い方だと思っていたが、今のはかなり高い。

つーか、甘い感じの声だった。



「う~~~~!なんか、烈司さんが触った場所、かゆいですよぉ~」



俺が指でなぞったところを、自分で数回なでる凛たん。



(やべ~な~・・・)

ダメだとわかってるが~


(楽しい。)

ツツー・・・



「あぅっ!?」



再度、凛たんの首を指でなぞる。



「れ、烈司さん!?」

「ハハ!族だけに、ゾクッとしちゃったー?」

「むずむずするから、やめて下さいよ!」



赤い顔で言う姿が可愛い。



〔★烈司はハマりかけている★〕


「凛たん、首弱いの~?」

「首は人間の急所ですよ!?」

「わかってるじゃないか、凛道。首には命にかかわる神経は多い。この辺りに動脈がある。」


ツー・・・

「あにゃ!?」



解説しながら、今度は伊織が凛たんの首をなぞる。



「し、獅子島さんまで!?やめて下さい!」

「・・・痛いのか?」

「ムズムズします!ゾクッともします!」

「ほぉ~・・・・!」

(あ。伊織のスイッチが入った。)



俺が別の意味でヤバいと思った時、凛たんの体が硬直した。

どうやら本能で、今の伊織がまずいと察したらしい。



「し・・・獅子島さん・・・?」

「凛道・・・弱い部分は鍛えねばならん。そうだろう?」

「あ、あの・・・僕がダメと言った場所は、触らないんですよね・・・?」

「どこが、嫌なんだ?」

「やっ!?」



伊織の手が、凛たんの太ももをなでる。



「し、獅子島さっ、やややっ!」

「伊織!」

(おま!?その撫で方は、セクハラだろう、伊織!?)



凛たんが、イヤイヤと、もだえる姿を見て思う。


(でも、止めない。)


もう少し観察しよう。



〔★烈司は救助を遅らせた★〕