彼は高嶺のヤンキー様(リクエスト編)



早速、凛たんをソファのセンターに座らせた。

ウキウキしている凛たんは可愛い。



「早くお願いします!早く瑞希お兄ちゃんの動画をお願いします!」



欲望に忠実な凛たんも可愛い。


(そこは俺も同じだけどなー♪)


凛たんからの許可が出たので、物は試しとさっそく実行!


「じゃあ、凛たん、お耳を触って良い?」

「はい、ダメです。」

「ダメなの!?」

「瑞希お兄ちゃんが帰宅した際の声と音が聞けなくなるので、だめです。」

「そっかーそれは仕方ないな~」

(瑞希のためにダメかぁ・・・)


〔★凛はNOと言える子だ★〕



「じゃあ、凛たん、おててを触って良い?」

「はい、ダメです。」

「ダメなの!?」

「瑞希お兄ちゃんが帰宅した際に、だめです。」

「そっかーそれは仕方ないな~」

(瑞希のためにダメかぁ・・・)



〔★凛はイヤと言える子だ★〕



「じゃあ、凛たん、お口を触って良い?」

「はい、ダメです。」

「ダメなの!?」

「瑞希お兄ちゃんが帰宅した際のお出迎えのお言葉を言わなければいけないので、だめです。」

「伊織・・・こういう昔話なかったっけ?」

「オオカミが未成年とやり取りするという童話と、似てると言えば似てるかもしれん。」

「普通に、赤ずきんって言えよ。」


〔★悪い大人に注意喚起をする物語だった★〕


「この場合、凛道に赤ずきんの配役は無理があるが、お前がオオカミであるのは適任だ。」

「おい、俺にも傷つく心があるぞ?」

「そもそも、よく触られている場所の方が良いだろう、凛道?」

「おーい、俺は無視~?」

「髪を触るぞ、凛道?」

「えっ!?は、はい・・・!」


淡々と言う伊織に、凛たんが何か言いたそうにしながらも同意した。


(おいおい・・・)


俺じゃなくても、凛たんが怖がっているのがわかった。