ウィンクしながら言う忍びに、頭がガンガンする。
悪びれた様子もなく、奴は語る。
「しかし、ミスったな〜敵にダメージのはずが、味方にもいくとは〜」
「うははは!計算ミスに、つーちゃんは苦笑いや!ここで前半戦終了!!ラスト15分やで!?」
「瑞希先輩、ひどいっす!!」
「しっかりしろ、大河!くそ!大河の仇だ!こっちも『攻撃』だ!!」
「やめろ悠斗!」
「止めるな秀!!」
秀の制止を振り切って、悠斗はやり返した。
「りんどーなんかな、あざといふりして女に近づくクズだぞ!?」
「おい、悠斗!?」
(攻撃ならぬ、口撃!?)
「凛の悪口攻撃かよ!?」
「悪口じゃねぇーぞ、カンナ!事実だ!」
あたしに噛みつきつつも、悠斗の口の動きは止まらない。
「あんなやつをカッコイイとか、守りたいとかいう女は、りんどーの被害者だ!」
(ん?守りたい?)
そう思うのは、『被害者』って言ってるけど−−−
(あたしゃ、放っとけないから、守ってやりたいと思ってんだけど・・・?)
それは、どーなんだよ?
〔★悠斗の口撃、カンナはモヤモヤし始めた★〕
いつも以上に、うるさい声で悠斗は語る。
「あいつが八方美人するせいで、カンナは第一夫人だ、正妻だ、本妻だって言われて迷惑してる!りんどーのせいで硬派の鬼姫が台無しだ!」
「悠斗!?」
「それは心配してんのか?」
ゲッと言う顔で、大河が悠斗の名前を呼んだが気にならない。
それよりも、あたしは悠斗の主張が気になった。


