そう言って数樹さんは、

タオルを水で濡らし始めた。



「あ、数樹さん、そのくらい、自分でできます!」


「でも……」


「大丈夫です。

数樹さんは勉強に戻られてください。」



数樹さんは絞ったタオルを渡しながら、

しぶい顔をした。



「……分かった。

でも、なにかあったら、

これ、ボタン押して。

ばあやが来てくれる。」



この部屋には呼び鈴まであるのか。

知らなかった。