「楓、今日はあまり長くいられないんだ。

ごめんね。代わりにこれ、

前言ってた本を持ってきたよ。

時間がある時でいいから、

よかったら読んでみて。」



忙しい時はわざわざ来なくていいのに。



「……すみません。」



「どうした?顔色が悪いけど、具合悪いのか?」



数樹さんは私の顔をのぞいてそう言った。



「え?……いえ、特に。」



実際はここ数日、微熱が続いている。



「ほんと?一応、熱測りな。」