私は14になった。

ひとつ上の数樹さんは受験勉強があるといい、

去年までのように毎日部屋に

訪ねて来ることはなくなった。

日曜日の夕方に少しだけ来てくれる。



私は自分がどれくらい恵まれているか

分かっていたから、

勉強の合間を縫って週に一度

会いに来てくれるだけで十分満足していた。