「雪弥〜!引越しのトラック来たわよ!」

やけに高くうるさい声が頭の中に響く。

そんなのわかってる。

今日から一人暮らしするんだ。

ベッドの周りには沢山の段ボール。



「お願いします。」

トラックの運転手に荷物を全て預け終わり一息ついた。

「母さん。昼飯は?」

「あー。冷蔵庫の中に入ってるから適当にチンして食べちゃって。母さん、仕事行ってくるね。」

「わかった。」


冷蔵庫の中にはオムライスが入っていた。

「たっく...。子供じゃねぇっての...。」

久々に食べたそれはとても美味かった。

明日から引越し先で暮らすんだ。

はじめての一人暮らし...。
子供が遠足の前の日のように喜んだ。