素直になれない、金曜日




“タイミングが悪い” なんて私の身勝手で理不尽な独りよがりの言い分だけれど。


そのときは、ちょうど我が家に新しい家族が増えたころだった。



『お母さん』

『今、小春にミルクあげなきゃいけないの』



『あのね今日……』

『え、何て?ちょっと手が離せないから 後で聞かせて?』




そして、合唱コンの自由曲を決めた、その日もそうだった。




『ねえ、お母さん』

『ごめん、後でもいい?』




どうしても誰かに縋りたかったときに縋れなかった。


唯一の拠り所さえも無くなったような気がして、急に自暴自棄になった。





─────私がここにいる意味なんて、ないのかもしれない。



かもしれない、じゃなくて。

きっと、ない。絶対ない。





私が居なくてもきっとクラスは何事もなかったように動いていく。

今日みたいに、華やかで説得力のある誰かがいれば、それで成り立っていく。




家族だってそうだよ。
私がいなくたって、小春がいれば、きっと。