自分の弱さに負けたんだ。 せっかくの勇気は、いとも簡単にしぼんでしまった。 意識しているのは私だけで、きっと砂川くんは私がいたことにさえ気づいていない。 いいんだよ、それで。 だって、私は元々そういう人間だもん。 なんて、 ───────全然よくないよ。 “美味しかった” ってそれだけのことが、どうして言えないんだろう。 たったその一言さえも伝えられない私のことが、私は、“だいきらい” で仕方ない。 ◇