……だめ。
決めつけはよくない。
もしかすると良い人かもしれないし、思い込みで怖いって決めつけるのは……。
「いいよね?」
「……っ!」
悪い人じゃないかもしれない。
だけど、無造作に私の手首を掴んだその腕には優しさのかけらも感じられなくて。
ただ、ひたすらに恐怖がつのる。
「俺とデートしようよ、いいコト教えてあげるからさあ」
「や……っ」
じろりと私を見下ろすその瞳と目が合って。
“この人、危険だ”
とここにきて確信する。
微笑をのせて怪しげに弧を描く唇、その上目も据わっていなくて。極めつけは、首を振って抵抗しても緩まない私の手首を掴む力。
そこで、鈍い私の思考回路はようやくレッドサインと警報を出した。