でも、言われてみればそれが一番しっくりくる。
わざわざ図書室に来て、呼び出して、それも文化祭前日に。
その用事は、告白しかありえないように思えてきた。
砂川くんのクラスメイトなのかな。
一体、あの子は砂川くんとどういう関係なんだろうか。
彼女は、砂川くんに『好き』だと伝えるんだろうか。
私がさっき、言いそびれたその二文字を。
ちらっと見えただけだったけれど、可愛い女の子だったなあ。
あんな可愛い子に告白されたら、砂川くんもあの子のことを好きになってしまうかもしれない。
ううん、もしかしたら、もう既に好きなのかもしれなくて。
そしたら、砂川くんは告白にオーケーして、ふたりは付き合って。それで、明日の文化祭も一緒にまわったりするのだろうか。
想像するだけで、胸が苦しくなった。
それが、もしかしたらありえる未来だということが。
────やだな。
そんなこと言う資格も権利もないのに、一丁前に嫉妬だけはするんだ。そんな自分が醜くて嫌だ。
それから最終下校時刻になっても、砂川くんは戻ってこなくて。
胸が苦しくて泣きだしそうになりながら、とぼとぼと家に帰った。



