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数日後の金曜日。

一限目の数学は、急遽時間割変更でHRになった。


というのも、そろそろ文化祭についてクラスで話し合いを進めていかないといけない時期だから。




「この前のくじの結果、うちのクラスはステージ発表に決まったんだけど、何かいい案ない?」




教卓のところに立っているのは文化祭実行委員の男の子。


そっか、委員会のことしか頭になかったけれど、クラスの出し物も準備していかないといけないんだった。


うちの学校では各クラスの文化祭実行委員のくじ引きによって、クラスごとにステージ発表か、教室展示、模擬店の三つに割り振られるの。


そしてどうやら、私たちのクラスはステージ発表に決まったみたい。



「文化祭のステージ発表といえば、やっぱり劇かな〜」




教室中によく響く声で、そう言ったのは榎木さんだった。

さすがは榎木さん。


彼女のひとことで、クラス中が “劇いいよね” という雰囲気になっている。




「俺も劇には賛成なんだけど、大事なのは演目だよね」



これまたクラスの中心的なメンバーの男子が声をあげる。

それに頷いたのは文化祭実行委員の男の子。