素直になれない、金曜日



タップして確認すると、買い忘れたものがないかを確認するための買い物リストと、それから。



「暗くなる前に気をつけて帰れよ、だって」




恭ちゃんとのトーク画面を砂川くんに見せる。気をつけて帰れよ、なんてもう高校生にもなるのに。



「ほんと、いつまでも過保護なんだから」



困っちゃうね、と苦笑しながら砂川くんを見上げた。

そして、僅かな違和感に気づく。



……砂川くんが、心做しか不機嫌?



あからさまに表情に出ているわけじゃない。
でも、纏っている空気がいつもより若干冷たいというか────不機嫌オーラが出ている、というか。



つい先ほどまでは普通だったのに、この短時間で何があったというのだろうか。




「砂川くん……?」




そっと名前を呼ぶと、砂川くんははっとして口を開いた。




「ごめん、ぼーっとしてた」




砂川くんはそう言うけれど、ほんとうにそうなのかな。

ぼーっとしていた、というよりは考えごとをしていたように見えたのは、気のせい?



そう思ったけれど、口にはしなかった。




「そろそろ帰ろっか、日が沈む前に」




そんな私に砂川くんが言う。
たしかに、もうそろそろ帰る時間。



「……そうだね」