素直になれない、金曜日



想像して、いいなあ、なんて勝手に羨ましく思っていると。



「そういえば桜庭さんって、パスケースも斬新なデザインの使ってなかった?」


「パスケース?」


「そう。前に見かけたときから気になってたんだ。物選びのセンス面白い……っていうか、意外だなって思ってた」



基本的には徒歩通学の私。

だから、使う機会は少ないのだけど、ICカードはいつもパスケースに入れて持ち歩いている。



そのパスケースも、以前どこかで一目惚れして買ったお気に入りのもので。



頭の中でその姿を思い浮かべた。



あれ、斬新……なのかな。
たしかに周りに似たようなパスケースを使っている人を見たことがないかもしれない。


とびきり可愛いと思うんだけどな。





「あ、あれはね────」




そのパスケースについて語ろうと口を開きかけたけれど、ピコンとケータイの通知音がそれを遮る。



それは、私のケータイのもので。




「ごめん、確認してもいい?」




お母さんからの連絡かもしれないと思って、砂川くんに断ってメッセージアプリを開いた。



すると、画面に表示されたのは。




「あれ、恭ちゃんからだ」



お母さんじゃなくて、恭ちゃんからのメッセージだった。