素直になれない、金曜日



「そのくま、かわいいっていうか……すげえリアル、じゃない?」



遠慮がちに、だけど突っ込まずにはいられない、と言った様子で口を開いた砂川くん。


たしかに並べられた灰色のくまたちはデフォルメされたテディベア、というよりは牙や爪もあって毛並みやポーズもリアリティに溢れている───かもしれないけれど。



「かっ、かわいいよ!すごく!ほら、目の感じとかちっちゃなツメとか、八重歯みたいなキバとか! ずっと触っていたくなっちゃうような手触りもばっちりだし、色も絶妙にかわいいでしょ……?肉球とか、腕の曲がり具合とかも含めて、とってもかわいいのっ」


思わずひといきに口から飛び出る。


そんな私の勢いに砂川くんは暫し呆気に取られていたけれど、突然ぶはっ、と物凄い勢いで吹き出した。



堪えきれない、といった様子でふるふると肩を小刻みに震わせながら笑っている。



どうやらつぼにはまってしまったらしく、目尻に涙まで浮かべて。



砂川くんの反応に、後からだんだん恥ずかしくなってきて。




「そんなに笑われると思ってなかった……」




私がそう言うと、砂川くんは込み上げてくる笑いを止めようともしないまま首を横に振った。