素直になれない、金曜日

.
.


「この店で最後、かな」


そろそろ太陽が傾きはじめる頃、ついに通りの端のお店の前まで来ていた。


ここにたどり着くまでの間にも、着実に手元の荷物は増えている。


相変わらずそのほとんどは、砂川くんが持ってくれている。至れり尽くせりもいいところだ。



だけど、我ながら今日はいい買い物をしたんじゃないかな、と思う。

あれこれ考えながら材料を揃えていくうちに、文化祭の準備が楽しみになってきた。



そのわくわくした気持ちのまま、店内を見て回っていると。




「────あ、」





ふと私の目にとまったのは、お店のある一角のディスプレイ。


そこには、くまのぬいぐるみや、ぬいぐるみキーホルダーが集められていた。


そのどれもが、同じくまのデザインで。




「かわいい……」




思わず声をあげると、少し離れたところにいた砂川くんがこちらを振り返った。


そして、私の視線をくぎづけにしているくまたちをじっと見つめて。




「……そのくま、が?」




まるで信じがたいかのように目を見開きつつ、砂川くんが首を傾げた。




「え……うん、そうだよ」




私が頷くと、ますます砂川くんが不思議そうな表情に。


そんな砂川くんの様子に、私まで不思議な気持ちになっていると。