王子様だと囁かれるほどの砂川くんの隣に今いるのが私だということに、むかつくと、言って怒るだろうか。
────ううん、そんなことは有り得ない。
不釣り合いだと笑い飛ばされる。
それか、不相応だと同情の目を向けられるだけだ。
そんなこと、自分がいちばんよくわかっている────けれど。
他の人にその現実を突きつけられるのが、急に怖くなった。
私が砂川くんの隣に居てはいけないことをはっきりと自覚させられてしまうのが、怖い。
突然足を止めた私に不思議そうな表情を浮かべた砂川くんが、私の視線の先を追う。
そして、彼女たちに気づいて、腑に落ちたように息をついて。
「どうして桜庭さんがそんな顔、してるの」
「……っ」
砂川くんの瞳が、不安に揺れた私の瞳を射抜いた。
「まあ、桜庭さんが考えてること、大方予想はついてるけど」
「え……」
「わかるよ、見てたら。けどさ、」
真っ直ぐに見つめられて、時が止まってしまったんじゃないかと錯覚しそうになった。
「今俺の隣にいるのは、紛れもなく桜庭さんでしょ」
一歩、砂川くんが私の方へ歩み寄る。



