素直になれない、金曜日



レジでのお会計を終えて、出口のそばで待ってくれていた砂川くんに駆け寄った。



「お待たせしましたっ」



すると、砂川くんが私の手元から紙袋をひょいと奪った。

ぽけー、と間抜けな顔をしていると。



「持つよ」



そんな私の表情にくす、と笑って砂川くんが言う。



「でも……っ、悪いよ。そんなの」



砂川くんの腕には既に幾つもの買い物袋がぶら下がっている。実は、朝から買ったものすべて、砂川くんが持ってくれているの。


その中には木材やペンキといった、結構重いものもたくさん入っていて。


さすがに申し訳ないと思って、『私も持つよ』と何度も提案しているんだけど、その度に『大丈夫だから』と一蹴されて取り合ってくれない。


「桜庭さんは女の子でしょ。こーいうのは、男に持たせとけばいいんだよ」



女の子扱いに、胸の奥がくすぐったくなる。

でも、だからといって。



「砂川くんばかりに任せちゃって、申し訳ないよ……」



私が眉を寄せてそう言うと、砂川くんがはあ、と息を吐き出して。



「そこまで言うなら、これ」



持ってて、と小さなビニール袋を手渡された。

あまりの軽さに中身を確認すると、入っていたのは折り紙1セットだけで。


もっと預けてくれても大丈夫なのに、と思ったものの、せっかくだから砂川くんの優しさに甘えることにする。