いろんな角度からホットケーキを撮影する砂川くんに、「これも撮っていいよ」と私の側にあったオムレツを差し出した。
それから私も砂川くんに便乗して、アプリを起動させて数枚カメラに収めた。
SNSとは無縁の生活を送っているけど、私だって一端の女子高生だからね。
かわいいって思ったものは写真で残しておきたい気持ちはある。
短い撮影会を終えて、スプーンを持って一口オムレツを口に運ぶ。
「……~っ!!」
口に入れたオムレツは、舌の上でふわりと溶けてなくなった。あとに残ったバターの香りに悶える。
こんなにおいしいオムレツは、はじめて食べたかもしれない。
かわいいだけじゃなくて味も完璧だなんて、さすがは人気店になるだけある。
感動の勢いで顔を上げて、きらきらした瞳を向かい側の席に向けると、同じように夢中でホットケーキを頬張っている砂川くんがそこにいた。
そしてはっと気持ちを落ち着ける。
いくら美味しいからといって、はしゃぎすぎたら子供っぽいって思われるよね。
きゅ、と唇を引き結んで、オムレツを食べることに集中した。
でも一度意識してしまうと、駄目だ。
ずっと砂川くんの方ばかりに気持ちが向いてしまう。



