素直になれない、金曜日




私たちが今訪れているのは、絵本をコンセプトにしたカフェ、いわゆる “絵本カフェ” 。


勿論、今目の前にあるメニューも絵本に出てくる食べものをモチーフにしたものだ。


砂川くんが注文した “ねずみの双子のホットケーキ” は言うまでもなく、かの有名な赤と青の服と帽子をかぶったねずみの双子が主人公の絵本に登場する、分厚くてふかふかのホットケーキ。


その横にはキャラクターをイメージした、ミニチュアの赤と青のとんがり帽子がオブジェとして添えられていて、見た目にも満足だ。



そして私が注文した “おおきなオムレツ” 。
これもある絵本に登場するメニュー。


黄色い表紙が目印の、つぶらな瞳がかわいいぞうさんがたくさんの卵を使って、それこそ “おおきなオムレツ” を焼くというお話の絵本で。



そう、隣町にこのカフェがあると知った私たちは、お昼ごはんついでに文化祭、図書委員でする “絵本カフェ” の参考にするためにここに来たんだ。



そして、これはこの前、委員での話し合いで決まったのだけど、メニューやレシピの考案のリーダーは砂川くんになったの。


というのも、私が砂川くんから誕生日にアイシングクッキーを貰ったことを知っていた恭ちゃんが推薦したのだ。



───たしかに、砂川くんが適任だとは私も思っていたけれど。

砂川くんがつくるお菓子は、ほんとうに全部おいしいんだもん。