「いいんじゃね?応援してやるよ」
「へ……」
「砂川駿。ひよりが好きになったんだったら、きっといい奴だろ」
そういえば、恭ちゃんは最初、砂川くんに対して否定的だったっけ。
「……うん、すごく素敵な人」
頷いて、瞼を閉じた。
そうすれば難なく砂川くんの姿を思い描くことができる。
いつのまにか、それくらい好きになっていたの。
落ちそうになる私の心をいつも拾い上げてくれて、さらっと助けてくれる姿は格好よくて。
でも、だから。
「私なんかには勿体無いくらい」
ぽつり、と零れたのは本音だった。
「は?」
それに対して、恭ちゃんが低い声を発する。
「なに、おまえまだそんなこと……」
「だって!」
恭ちゃんを遮って声を張り上げた。
「だって、私なんかじゃ絶対無理だもん。恋なんてこれが初めてだし」
ほろほろと本音が口から零れていく。
「わたしがみんなみたいな、きらきらした世界の住人になんてなれるわけがないもん。ましてや砂川くんなんて、もっとお似合いの女の子が星の数ほどいるのに。……だから、恭ちゃん、応援なんてしてくれなくていいの」



