『…やっぱりこれはだめ』


柚の気持ちがこもったものを、そんな簡単にあげちゃいけないと思った


「なんで?」


キョトンとする雅


『…これ、柚にもらったの。ごめんね、あたしなんか買ってこよっか?』


そう言って、図書館の出口の方へと足を向けようとして



『…え、きゃ…っ』


ガタン、と目の前の景色が一転したのは一瞬で


本棚と雅の間に挟まれたあたしの目の前、
すぐ近く、見上げる距離に雅がいた