引っ越しからあっという間に
月日が経ち、春から夏へと季節がかわった。

まわりの木々はすっかり青く葉が茂り、
セミの声がミーンミーンと力強く、
ギラギラ眩しい太陽の光が
私の顔を照らしていた。


「「「はっぴばーすでーとぅーゆー♪
おめでとう、いちか」」」


母、そして父の妹(叔母)、叔父が
6歳のお誕生日のお祝いに来てくれた!

父の仕事はトラックの運転手。
いつも朝早くに家をでて夜遅くに帰ってくる。そんな日々が続きパパとは会話をすることはおろか父の顔を見ることも少なかったと思う。

「ありがとー!」

だから、たとえ、今日が6歳の私の誕生日だったとしても、、父の姿はない。そして、母とそりが合わないばあちゃんも引っ越した家には遊びに来たことはない。


「大きくなったらね、いちかは
ケーキ屋さんになるの!」

ケーキを囲み幸せな家族の時間を
形を、
わたしは自分の作るケーキで
作りたいって夢みてた。


だけど、その夢が夢である事に6歳の私には知る由もなかった。