「君、少し遅すぎない?」


永田の声には不機嫌がこもっていた。


「でも僕にとってはこれが普通……」


永田の言うことはよく聞く鈴城だが、時間については例外だった。


「なんとか間に合いそうだけどさ……。それじゃ、確認するよ」


紙で確認した後はリハーサル。軽音楽部の子が集まっていて、終わった後に拍手が聞こえた。


「もうそろそろ入場か……」


照先が腕時計を見て呟いた。


幕が下ろされている中雑談した。
守築が、可愛い子いるかなと幕の隙間を覗こうとした。照先は中学生には手を出すなと守築の手を叩く。


「さあ、もうすぐ始まるぞ。Climb up!」


「Geometric union!」


そして、幕が上がる。
眩しいくらいの光が目に飛び込んできた。